第3回 BDやHD DVDとの違いは? [What’s HD?]
こんにちは。
日帰りで九州まで出張してちょっと疲れ気味のハイデフおやじ1号です。
さて、今回はHDを楽しむための環境についてお話するつもりでしたが、第1回にHD DVDについてのコメントがありましたので、急遽内容を変更してこの話をしてみたいと思います。
次世代DVDの規格争いといった具合でテレビなどでも取り上げられることが多くなってきましたので、Blu-ray Disk(以下BD)やHD DVDという名前は誰でも耳にしたことがあることでしょう。
この2つの規格について話をはじめると、そもそも、といったところからはじまって、両者の比較まで細かに解説しなければなりませんので、とりあえずメディアの規格の違いについて簡単にまとめておきます。簡単に説明すれば、いずれもこれまでのDVDよりも多くの情報を記録できるのが特徴と言えます。
で、今回、注目したいのは、これらの規格で採用されている映像圧縮フォーマットについてです。BD、HD DVDでは、ディスクに記録される映像フォーマットとして、これまでのDVDと同じMPEG-2のほかに、H.264/MPEG-4 AVC、VC-1という新しい映像圧縮フォーマットがサポートされています。これらの映像圧縮フォーマットを利用することで、より低いビットレートでもHD品質の映像を記録することができるようになっています。
たとえば、MPEG-2で1080iのHD品質の映像を表現するには24Mbps前後のビットレートが必要になりますが、H.264/MPEG-4やVC-1なら、半分程度の十数Mbpsのビットレートで同等の映像を表現することができます。
ポイントは、これらの新しい映像圧縮フォーマットのうちのVC-1です。このVC-1は、実はマイクロソフトが開発した動画圧縮方式で、Windows Media Video 9をベースにしたものとなっています(はじめはWMV9の「9」を使ってVC-9と呼ばれていました)。VC-1の詳細や具体的なビットレートと表示解像度の関係などは、こちらのページ(http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/forpros/events/NAB2005/VC-1.aspx)に詳しく記載されていますので参考にしてください。
そこで、疑問に思うのが、今回のHD JAZZ LIVE!で提供されているWMVの映像とBDやHD DVDの映像は同じなのか? という点です。
厳密に言えば、インターレースとプログレッシブの違いなどもありますが(このあたりも機会を見て解説します)、基本的には同じ技術をベースにしていますので、映像の持つ味というか特性はHD JAZZ LIVE!のWMVとVC-1で大きな違いはないと考えて良いでしょう。
ただ、少しややこしいのですが、これはHD JAZZ LIVE!の映像がBDやHD DVDと同じという意味ではありません。VC-1はあくまでもBDやHD DVDでサポートされる映像圧縮フォーマットのひとつに過ぎません。このため、BDやHD DVDのソフトによってはH.264/MPEG-4 AVCの映像が納められている場合もあります。H.264/MPEG-4 AVCとVC-1では、映像の特性に違いがありますので、BDやHD DVDでもソフトによっては同じとは言えないことになります。
また、BDやHD DVDソフトの中には、H.264/MPEG-4 AVCやVC-1という高圧縮の映像フォーマットを採用しながら、あえてクオリティを重視するために二十数Mbpsのビットレートの映像を納めている場合があります(MPEG-2換算で40Mbps前後)。今回のHD JAZZ LIVE!の映像は10~15Mbpsの可変ビットレートですから、こういったあたりのクオリティの違いなどもあると考えるべきでしょう。
いずれにせよ、従来のDVDなどと比べると高い画質であることに変わりはありませんが、「HD」と言っても、その方式にはいろいろあるということを覚えておくと良いかもしれません。
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